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衣川製作所

【コラム】微細加工による細穴加工とは?加工方法や精度、対応設備を解説

電子機器や半導体、医療機器などの小型化・高性能化に伴い、部品には従来よりも小さく、精度の高い穴が求められるようになっています。こうした微小な穴を形成する技術が、微細加工における「細穴加工」です。

細穴加工では、穴径や深さだけでなく、穴の位置、真直度、表面状態、加工後のバリなども製品の品質を左右します。そのため、材料や形状、必要な精度に合わせて、適切な加工方法や設備を選択することが重要です。

株式会社衣川製作所は、30年以上にわたり半導体関連の精密部品や治工具の製造に携わり、微細加工技術を蓄積してきました。切削加工、放電加工、ワイヤー加工、研磨加工などを組み合わせ、高精度な部品製作に対応しています。

微細加工における細穴加工とは

細穴加工とは、直径の小さな穴を金属などの材料に形成する加工です。一般的な穴加工よりも工具や電極が細くなるため、わずかな振れや位置ずれ、加工中の熱、切りくずの排出状態が仕上がりに大きく影響します。

特に、穴径に対して深さが大きい細穴では、工具の折損や穴の曲がり、入口と出口の位置ずれが発生しやすくなります。単に小さな穴を開けるだけではなく、図面で指定された寸法や公差、位置精度を安定して満たすことが、微細な細穴加工の難しさです。 細穴加工で確認すべき主な項目には、次のようなものがあります。

  • 穴径とその公差
  • 穴の深さ
  • 穴位置や穴間ピッチ
  • 穴の真直度
  • 加工面の状態
  • バリや変形の有無
  • 材料の硬度や導電性
  • 試作か量産か

同じ穴径であっても、材質や深さ、穴数、要求精度によって適切な加工方法は異なります。そのため、設計段階から加工会社と相談し、加工条件を検討することが品質とコストの両面で重要です。

細穴加工に用いられる代表的な方法

切削による細穴加工

ドリルなどの切削工具を回転させ、材料を削りながら穴を形成する方法です。加工速度や汎用性に優れており、一般的な穴加工から比較的小径の穴まで幅広く使用されます。

一方、小径ドリルは剛性が低く、加工中にたわみや折損が生じやすいという特徴があります。深い穴では切りくずが排出されにくくなるため、工具の回転数、送り速度、加工深さ、切削油の供給方法などを細かく調整する必要があります。

穴の入口位置を安定させるための下穴加工や、工具の突き出し量を抑える工夫も重要です。加工条件を適切に設定することで、穴径や位置精度を保ちながら効率的に加工できます。

放電による細穴加工

細穴放電加工は、電極と加工物の間に発生する放電現象を利用し、材料を除去して穴を形成する方法です。加工物に直接大きな力を加えないため、細い工具では加工が難しい形状や、硬度の高い金属にも対応しやすい点が特長です。

工作物が電気を通す材質であれば、硬い材料でも加工でき、電極形状に応じたさまざまな加工が可能です。

細穴放電加工では、パイプ状の電極から加工液を供給し、加工によって発生した除去物を排出しながら穴を形成します。切削加工のような切削抵抗が少ないため、小径で深い穴や、複雑な位置に設ける穴にも適しています。

ただし、電極の消耗や加工速度、加工面の状態を考慮する必要があります。求められる寸法精度や穴の用途に合わせて、電極径や加工条件を設定することが大切です。

ワイヤー放電加工との組み合わせ

ワイヤー放電加工は、細い金属線を電極として使用し、放電によって金属を精密に切断する技術です。複雑な輪郭形状や高精度な部品の加工に適しています。

加工開始位置に細穴を設け、そこへワイヤーを通して加工を開始する場合があります。このように、細穴放電加工とワイヤー放電加工を組み合わせることで、微細な穴から複雑な形状へ連続した加工を行うことが可能になります。

当社では微細穴放電加工機「EDFH1」が活用しています。

衣川製作所では、マキノ製NC微細穴放電加工機「EDFH1」を導入し、高精度な細穴加工に対応しています。直径6μmの成形電極による直径10μmの微細穴加工が可能で、使用できる電極径は直径0.02~3.0mmです。

高精度な回転ヘッドや電極の振動を抑える機構、加工くずを効率よく排出する機能により、小径穴や深穴、位置精度が求められる加工を安定して行えます。難易度の高い細穴でも加工が可能です。

細穴加工の精度を左右するポイント

材料に適した加工方法を選ぶ

細穴加工では、材料の硬度、粘り、熱伝導性、導電性などによって加工性が変わります。

切削加工では、硬度が高い材料や粘りの強い材料ほど工具の摩耗や切りくずの排出に注意が必要です。放電加工では導電性のある材料が対象となりますが、硬度による影響を受けにくいため、焼入れ材や難削材の微細穴加工にも活用できます。

材料の特性だけでなく、穴径、深さ、加工数、表面品質を総合的に検討して加工方法を選びます。

工具や電極の振れを抑える

工具や電極の振れは、穴径の拡大や真円度の低下、位置ずれの原因になります。特に直径の小さなドリルや電極では、数μmの振れでも加工結果に影響する可能性があります。

工具を短く保持する、適切なガイドを使用する、回転軸や保持部分を定期的に確認するといった管理が必要です。

切りくずや加工くずを確実に排出する

細く深い穴では、加工によって発生した切りくずや加工くずが穴の内部に滞留しやすくなります。排出が不十分な場合、工具の折損、加工の不安定化、穴内面の品質低下につながります。

切削加工では切削油や段階的な送り、放電加工では加工液の噴流などを利用し、加工部分から除去物を効率的に排出します。

温度変化を管理する

微細加工では、加工熱や室温の変化によるわずかな膨張も寸法精度に影響します。機械を安定した状態で使用し、加工前後の温度差を抑えることが重要です。

また、加工機だけでなく、材料、工具、測定機器を含めた環境管理が、高精度な細穴加工の再現性につながります。

測定方法を事前に検討する

穴径が小さくなるほど、一般的な測定工具では内部の寸法や形状を確認しにくくなります。そのため、加工後にどのような方法で穴径、位置、深さを評価するかを、加工前から決めておく必要があります。

光学顕微鏡、画像測定機、ピンゲージ、三次元座標測定機などを、穴の大きさや要求精度に応じて使い分けます。衣川製作所では、複数の三次元座標測定機や光学顕微鏡、画像測定システムなどを保有しています。

微細加工・細穴加工は衣川製作所へご相談ください

細穴加工では、穴径だけでなく、深さ、位置、材料、穴数、加工後の仕上げなどを考慮した工程設計が必要です。切削加工と細穴放電加工のどちらが適しているか、ほかの加工工程とどのように組み合わせるかによって、品質や納期、コストは大きく変わります。

衣川製作所は、微細加工、放電加工、ワイヤー加工、切削加工、研磨加工の設備と経験を活かし、精密部品や治工具について設計から試作、量産まで対応しています。産業用部品、医療機器、研究開発支援の各分野で、製品や課題に合わせた加工方法を提案しています。

「小径の穴を高精度に加工したい」「硬い材料に深い細穴を設けたい」「試作段階から加工方法を相談したい」といったご要望がありましたら、衣川製作所へお問い合わせください。

まとめ|微細加工による細穴加工とは?加工方法や精度、対応設備を解説

微細加工における細穴加工は、小径・深穴など高い精度が求められる穴を形成する技術です。穴径だけでなく、深さ・位置・真直度・表面状態などを考慮した加工が必要です。

加工方法と精度のポイントとして、切削加工や細穴放電加工、ワイヤー放電加工などがあり、材質や穴径、深さ、要求精度に応じて適切な方法を選択します。工具・電極の振れや加工くず、温度変化、測定方法の管理も精度を左右します。

衣川製作所では、微細穴放電加工機「EDFH1」をはじめ、切削・放電・ワイヤー・研磨などの設備を活用し、微細な細穴加工から精密部品の試作・量産まで、要求仕様に応じた加工方法を提案しています。

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